色即ぜねれいしょん

"サヨナラだけが人生じゃつまんないぞ!"

色即ぜねれいしょん

著・みうらじゅん

私立の仏教高校に通う一年生の乾純。あだ名は「イヌ」
体育会系が主力の高校で、エロ友達の本田がいつも持ちかけてくるエロ映画の話や、ヤンキー達の「ホーネン」コール、眠い授業や家庭教師の「ヒッピー」らに囲まれながら、日常を過ごしている文科系男子。
イヌの趣味はギター。日々オリジナルソングを誰へと歌う訳でもなく書き連ねる日々。
そんな彼の最大の悩みは、童貞であること。
ある日、夏休みを前にしてイヌは友人の伊部と池山からイヌを隠岐島への旅行を誘われる。
彼ら3人の胸で踊る一つの夢のキーワード。それは、、、
「フリーセックス」
イヌとその仲間達との一夏の経験はどうなるのか!?
みうらじゅんの自伝的夏の物語。

一言で言えば一夏の青春物語。
ギターが引ける平凡な高校生の、平凡とバカと甘酸っぱさが混ざった夏の一時とその成長が見られるお話。
一つ屋根の下での共同生活。いいよねぇ。
俺も学生の頃、足の手術の後に群馬のリハビリセンターに1ヶ月ほど入っていた事があった。
夏休みということもあり、同じ年頃の学生を初め色んな人が10人ぐらいいて、1ヶ月間でかなり仲良くなった。
リハビリが必要な怪我人連中の集まりなのに、みんなで外出したり花火やったり。
いまとなっては散り散りになってしまったけど、それも夏の思い出の一つ。
イヌとは違うけど、共同生活っていう意味では一緒。
限定された条件の下に目的・理由が同じ人同士が集まって同じ釜の飯を食べるってのは、楽しいよね。
俺がリハビリの仲間達と仲良くなったように、イヌはユース・ホテルの仲間達と仲良くなった。
そしてそれは少なからず何らかの影響を与えているのは、ページをめくっていけば分かる事。
人生にはサヨナラが多いけど、サヨナラだけじゃあつまらない。よねぇ。。

おすすめ度:78点

もうセミの鳴き声も聞こえなくなり、夏は終わった今日この頃。
だからちょっと寂しくも感じてしまった読後の余韻なのでした。
海を抱いたビー玉も、夏関係ということでおすすめ。

あ、この小説って映画になってるんだって。
レンタル出たら見てみようかなー。

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