きつねのはなし

"それは私を向いて顔を上げ、闇に光る白い歯をむきだした。"

きつねのはなし (新潮文庫)

著・森見登美彦

芳蓮堂。
歴史ある古道具屋で、珍しい物ばかり取り揃えられている店であり、そこにはバイトとして働いている武藤と、店主ナツメの2人が出入りする。
この芳蓮堂には常連がいるのだが、その一人に天城という男がいる。
彼と会う場所は、いつも彼の屋敷内の、座敷である。
細長い顔に生気はなく、青い無精髭がうっすらと顎を覆う顔。そして着流し姿。
この天城の不気味さを皮切りに、4つの話が語られる。

京都を舞台に、深々と語られる4つのお話。
俺の知っている森見登美彦じゃない!
どうしたんだ。夜は短し歩けよ乙女で森見ワールドは一旦お休みなのか。。
本作はいつもの森見ワールドとは一転し、神秘と怪奇が交差する不思議なお話。
まるで静かに流れる水のように語りはすすみ、冷ややかに終わって行く。

マンネリ感が嫌と思ったけど、やっぱり森見ワールドは突っ走って欲しいと、これを見て思った。
ホラーじゃないけど、日本特有の冷ややかミステリー。
好きな人は好きなんだろうな。

おすすめ度:60点


カムバック森見。。

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