マッドマックス 怒りのデス・ロード

"心が壊れたら残るのは狂気だけだ"


マッドマックスシリーズを観たことのない僕だけど、土曜日に公開されてから間もなくしてあちらこちらで絶賛の声が聞こえてくるこの映画。
レビューの内容は見ないから、作品がどんなものであるかも分からないものの、とにかく「良い」ということだけは伝わってくる。
何やらわからないけど、そんな空気に背を押され、IMAX 3Dで鑑賞してきた。

もうね、頭おかしい。脳が痺れるほどに!

どんな内容かは他のレビュー記事に譲るけど、この攻撃的なまでの映画体験はそうそうない。
見終わったあとに鏡を見たら、目が充血していたくらい。

眼球から、鼓膜から、120分間刺激を与えられ続けるこの体験は、今でも脳に痺れが残っているくらいだ。
他でもないIMAXだからこそ、その攻撃性は倍増したのだと思う。

一つだけ明かせば、世界は核戦争後の世界であること。

世紀末状態の舞台は、資源の枯渇した乾きの世界。
ただただ広がる砂漠には、暴力と強欲により美徳や道徳といったものが一切滅ぼされ、人も風景も荒涼とした地平に佇むばかり。
その地平線から上る狂気という太陽は、等しく地上の狂信者たちを照らし、欲望の身を焦がすのだ。

いや、そんなことを言いたいんじゃない。
つまりこういうことだ。


ヤバイ!熱い!ぶっ飛んでる!頭おかしい!


最初から最後までアクセル全開オーバーヒートで燃えながら走り続ける車のごとく、攻めて攻めて攻めまくる。
見てるこっちがノドの渇きを覚えるくらいに燃え続ける。

武器や衣装や車両、その他美術全般のセンスが最高で、それらが作り上げている世界観には、もはや退廃的な美すら感じる域に達している。

あの音楽車両。バカみたいなスピーカー数とドラマー達とギタリストを装備したあの巨大な移動するあのライブ会場。
カッコよすぎる。他の何を置いてもあの装置はピカイチだ。あの装置のお陰で耳をやられた!

主演のトム・ハーディはちょいちょい出演作を見るけど、本作ではめちゃめちゃハードボイルドだった。過去を引きずっている役だけども、過去作品を見ていないのでなんとも言えない。
相方のシャーリーズ・セロンがまたかっこいい。この人はほんと役に貪欲だなぁと思う。


色々とつっこみたく事もあるけど、そんな些細なことを脇におくどころか吹っ飛ばす攻撃力がこの映画にはあった。
とにかくこの狂った世界観を体験するために映画館へ行くのは悪くないと思うよ!

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