葉桜の季節に君を想うということ

"そうなんだよな、みんな、桜が紅葉すると知らないんだよ"

葉桜の季節に君を想うということ

著・歌野晶午

成瀬将虎。妹の綾乃からはトラちゃん、なんて呼ばれている。
そして後輩の芹澤清、通称キヨシ。話は二人が通うスポーツジムから始まる。
キヨシが想いを寄せる久高愛子が最近顔をみせなく、それを心配するキヨシは将虎を引き連れ愛子を見舞いにいくのだが、そこから彼女の家族に不幸があったことを知る。
しかしそれは、ある組織に対する将虎の挑戦の始まりでもあった。
そして将虎は麻美さくらと出会う---。

同僚からの推薦本を図書館で発見。

トラちゃんが飛び回る。
探偵事務所に所属し、暴力団に潜入調査をしたこともある経歴を持つトラちゃん。
ある時は組織のイベントに紛れ込み。またある時は組織の拠点に侵入し。
キワドい活動をこなしながらも、しかし一方では女と布団を一緒にし、愛に飢えるトラちゃん。
ストーリーはそんなトラちゃんを軸にしつつも、彼の過去を振り返ったり、または謎の組織に操られて働く被害者を登場させたりと、話の断片それぞれに進行していく。
断片がピースとなり、ピースが形をそろえていく。
その形が見えてきたとき、んがっ、となる。

俺は俺が望む世界で物語を見ていたんだなぁ、と思ってしまった。
文章から想像される映像。そこにあるのは自分の世界だよなあ。
しかーし、奇天烈な脳みそでない限り、この展開にひっかかるはずだ!

でもねこれ、ストーリーのピースは埋まってないんじゃないのかなー、なんて。

ということで、んがっとなりたい人はどうぞ。

おすすめ度:75点

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