黒笑小説

"君はすごい。もてないオーラの質が違う。"

黒笑小説 (集英社文庫)

著・東野圭吾

売れない小説家を題材にした4つのテーマを始め、なんでも巨乳に見えてしまう病気の男、飲めば「不能」になってしまう薬の開発、もてるためのモテモテスプレーを使う男、別れを告げられた女にスートーカーを強要される男など、全部で13ケの短編集。

売れない小説家の話では、その業界ではなかなか内情がリアルで話題になりそうな話だ。
長年執筆してきたが、売れ悩む小説家や新人賞に受賞して人生の急カーブにさしあたる男など、良い感じに「イタイ」話になっている。
東野圭吾自身、実は売れない時期が長く、最近やっと名を知られるようになった小説家なようで、周りにいる人の「手のひら返し」を直に体験している人物だと、巻末で奥田英朗は述べている。
この売れない小説家のストリーは、東野圭吾の皮肉的な作品なんだろう。
特定の人にとってはメッセージ性が強い。

その他にも「イタイ」作品がいろいろあるが、題材はどれも日常にあるものばかり。
ニヤリとしながら読める、ちょっとブレイクタイム、的な本。

おすすめ度:78点

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