金閣寺

”金閣を焼かなければならぬ"

金閣寺 (新潮文庫)

著・三島由紀夫

幼少の頃から"私"は金閣に憧れ、地上において金閣より他に美しいものはないと思うほどに崇高なものであった。
彼は生まれ持った"吃り"からの暗い日々や、"生"より"死"の世界に通ずる彼の性質から、金閣という"美"に対する異常なまでの感覚がある。
他の建造物はもちろん、物であったり、風景であったり、または女性に対する感情をもってしても、金閣にかなう存在はなかった。
しかしそんな彼が、父を亡くしたことで金閣の住職の下で生活することになる。
そこから、彼の中で最も崇高であった金閣との日常が始まると同時に、暗く大きな事件の歯車が回転し始める、、、

仮面の告白の次に本書を読んだ。
本書も"私"による自伝的な、"告白体"の読み物だ。
題材は実際にあった、金閣寺放火事件であり、三島氏が分析し、小説化を行った事実に基づくお話。
いかに"私"が育ち、自分の世界を築き、事件へと結びついたのか。

"裏に向い外に向って、逢著せば便ち殺せ"
臨済録示衆の言葉だそうだが、"私"はこの言葉を思い出し、人惑を断ち切り行為を実行する。
過去憧れた金閣に対する、"私"の変化とは、、

おすすめ度:70点

正直難解。
今後、2回、3回と読むうちに分かってくる事も多くあるだろう。
そう思うほど、読むのに気力がいり、時間がかかった。
何度本を置いたことか、、

三島作品を読みつつ、そろそろ村上春樹にも手をだそうかなぁ。

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