パンズ・ラビリンス

「私はお姫様よ」



スペイン軍に支配された地域でおこった世にも奇妙な物語。

少女オフィリアとその母は、新しい父、スペイン軍の大尉が指揮する陣営へと移り住む。
母はオフィリアの弟を身ごもっており、長旅で体の具合が良くない。
新しい父である大尉はもしもの時は生まれてくる男の子を救えと、冷徹な命令を医師に伝える。
目的は息子のみであり、母もオフィリアも彼にとっては重要ではないのだ。
冷徹非情な大尉のやり方は独裁そのものであり、冒頭から目を背けたくなる胸くそ悪いシーンもある。
なんてやつだ!と、その瞬間から敵視して見てしまう。
一方オフィリアは、そんな冷徹な大尉を目の当たりにして、唯一の希望は母と生まれてくる弟だけなのだ。
そんなオフィリアには実は秘密があり、それは不思議の国のお姫様という話。
ある日、妖精に導かれて近くの遺跡になった迷宮で、彼女のしもべだというパンズに出会う。
このパンズから、お姫様に戻るための3つの試練を与えられるのだが、、、

という、頭っから妙な感じで、パンズが出てきていっきに胡散臭い雰囲気が加速するフェアリーストーリー。
怪しい。怪しすぎるこのパンズ。いつ牙をむいてくるのかとソワソワしながら見ていた。
与えられる試練も負けじと胡散臭く、2つ目の試練はぎゃぁぁぁぁぁぁと叫びたくなる。
あれはムリムリ。西洋文化はよくもあんな怪物を生み出せたものだと。
人間の想像力って凄い。
さすがにマンドラゴラは少ししってるから、こいつぁやっぱ敵か!!と思ってしまう。

希望が全くない少女が、世にも奇妙な物語のなか、ドンデン返しで希望をつかみ取るという童話。
実は深い意味がそこに隠されているというダークファンタジーだが、もちろん俺はそこから米一粒分しか拾い上げられない。
どうも表面しか読めないのだから、修行せねば。
このゾワゾワ感を体感したい人はどうぞ。

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