フラガール

「女はつぇえなぁ」




ハワイアンリゾート誕生の背景を交え、炭鉱娘がフラガールとして新たな時代を切り拓いていく。

評判が良いことは聞いていたが、なかなか見る機会がなかったフラガール。
松雪泰子演じる平山先生と生徒達の成長を中心に描かれていくのだが、平山先生が結構無茶な人である。
アル中で指導なんてやる気ない人物かと思いきや、実は指導熱心で人情家。
事件が発生すれば生徒の家に急行し、果ては銭湯の男風呂まで殴りこみに行く。
生徒のためにあそこまで猪突猛進な先生を見ていると、なんだか尊敬の念を覚える。
主役の蒼井優演じる紀美子も、母ちゃんに似て気丈で、度々平山先生と衝突する。

思わず目が熱くなるシーンもあった。特に紀美子の母ちゃんがストーブを集めるシーン。
今まで炭鉱夫の妻として生きてきて、仕事について、女性の立場について自身の人生を通して持っていた価値観が、紀美子のダンスを見て氷解していく。
あの気丈な母ちゃんの変化だからこそ、熱くなるものがあった。
しかしそこで、これは時代の変化を描いた作品でもあるのだなと気付かされた。

常磐炭鉱とハワイアンセンター。
炭鉱産業が終端の道を辿り、その変化により、その変化に苦しむ人々と、変化を受け入れ新たな道を開拓しようとする人々。
そういった背景も、フラガールには含まれている。

しかしフラダンスに手話の要素があるとは知らなかったな。

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