ゲド戦記

「命を大事にしないやつなんて大嫌いだ」



長らくみていなかった作品。
ジブリ作品は大好きで、昔からずっと見ているのだけれども、ゲド戦記はどうも見る気が起きなかった。
「ハウルの動く城」もあまり見る気が起きなかったのだが、本作はそれ以上に、だ。
と言いつつも今回やっと見ることになった。

恐怖と不安を持った少年アレンは、王の父を持つ一国の王子。
ある日"衝動"にかられ、父を刺す事件を起こし、国を後にする。
その"衝動"こそ、恐怖と不安から出現したアレンの多重人格の形なのだ。
あてもなく彷徨うアレン。まるで死に場所を探すように。
そんな中、大賢者ハイタカと出会い、共に旅をする。
そして旅先で、テルーという少女が人狩りに遭っている場面に出くわすのだが・・・

恐怖と不安を持った精神的に不安定な息子は、ある日父親を刺してしまう。
怖いことにニュースでたまに耳にする事件なのだが、アレンはまさにその犯人だ。
これがもし現実であったなら、即逮捕。
犯人の犯行理由はきまって馬鹿馬鹿しいことだ。
"うっぷんがたまってやった"、"うざかった"

劇中では、アレンは生きることから逃げ、負の感情で心が支配され、その結果事件を起こす。
しかし国を出てハイタカと出会い、テルーと出会って生きる事の意味を見出す。
現実に話を戻してみても、共通する点はあると思う。
もちろん自分にとって、アレンに共感できる部分はある。
しかしそれだけで悲劇を引き起こす事には至らないと思えるし、そんな経験はもちろんない。
悲劇が起きてしまう事について、自分自身だけでなく、その環境についても目を向けるべきなんだろう。
現実に不安や嫌な事は多々あるが、それに負けることなく、生きる事に前向きにならなければいけない。
そんなメッセージが、この作品にあるのではないだろうか。

不安や恐怖といった要素が入ると、どうしてもジェダイの葛藤を思い出してならないのだが、物語についての感想は以下の一言でまとめておく。

町で出会った少女はドラゴンでした。
なんじゃそら!

あ、二言だ。。
2時間でまとめたからそんなオチに見えたのかな?
原作を読まないと物語の良さは分からないかもしれない。

宮崎駿監督から息子・宮崎吾郎監督へとバトンタッチされたジブリ作品。
題材からなのか、本作品は深く落ち着いた雰囲気となっている。
ジブリならではの、豪快で生き生きとしたキャラクター達が今後見れるのか。
ジブリファンとして、次回作に注目です。

追記:
インタビューも面白い。
スターウォーズはル・グウィンに関わっていたのか。。

trailer:

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