涙そうそう

「人には短い命、長い命、それぞれ色んな命があるさ」




にーにーこと洋太郎とその妹カオルはお互いの親同士が再婚して一緒になった義理の兄弟。
再婚後に間もなくして離婚をし、父親は行方知れず、母親は病に倒れ帰らぬ人に。
自分の料理屋を出店する事を夢見る洋太郎は高校を中退し、島を出る。
カオルはというと無事に中学を卒業し、高校に通うために洋太郎と同居する事に。
そして久しぶりに2人は再会することになる。

妹が長澤まさみだったらな~。。。
なんて邪な想像をする見終わりの今。
そんな想像を引き起こす位、劇中のにーにーとのやり取りは癒されるものがある。
そのにーにーも、陽気で夢に向かって努力する姿がなんとも爽やか!
妻夫木が演じていることで、爽やかさも倍増だ。
自分の店を、内装や備品をなんとほぼ手作りで仕上げてしまうあの姿。
とても眩しい。
家賃3000円だというあのアパートも、ほとんどお手製なのだろう。
工夫による知恵が詰まっているに違いない。
にーにーのあの姿を見て、工夫のない自分に恥ずかしさを感じた。
しかしこの恥ずかしさも、少したてば忘れてしまうのだろう。
積み重ねない自分が無に等しく感じる事がある。

話が飛んだので元に戻すと、
やはりなんといっても劇中の温かい雰囲気を出しているのは沖縄だからであろう。
あの音楽、あの町並み、あの人々。
沖縄いきたい!!
にーにーとカオルの絆の強さを感じれば感じるほどに、ラストに向かう展開が残酷に思えてくる。
思わず「えーっ」と口に出してしまったほどだ。
やっぱり自分の中ではハッピーエンドを期待していたし、そうなることを望んでいた。
いいじゃん死ななくても!生きようよ!
「にーにーー!!」と叫んだ声が届いて、奇跡が起きればいいのに。
そうすれば、2人の絆がもっと強まるんだ。
成人式でにーにーの送った着物を着て、2人で写真とって。
カオルは大学卒業して、栄養士の資格とって。
にーにーと幻に終わった料理店を始め、どんどん繁盛していって。
その間に色んな困難があるけど乗り越え、やがて2人は結婚して。
そんな2人の結婚式の写真をアルバムに入れて、今までの写真を振り返ればいいじゃないか。
2人で古いアルバムめくればいいじゃない!

でもそんなごまのすけの望みは叶わなかった。
吸い込まれるかのように、エンディングはタイトルへと収束していく。

にーにーがいなくなった後、にーにーからの最期の贈り物を手にして、カオルは泣く。
涙そうそうと。
(ここで鼻をつままないのは、にーにーからの卒業?)

温かい沖縄から涙を込めて。


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