ハウステンボスで

前回からの続き。

いざ、ハウステンボスに入場する。


まず最初にチケットの購入を行うのだけど、これがイマイチ分かりにくい。
アトラクションや移動手段や各種イベントにより、チケットにどんな機能を付けるかで料金クラスが変わる。
僕らは夕方以降入場するので夕方パスポートになるのだけど、どのチケットにすべきなのか最初は迷う。
ハウステンボスの勝手を知った今では簡単にわかるけれど、場内の具合を知らない初めての人には、少々複雑だ。
更に付け加えれば、パスポート一枚買えば全て賄えるわけではない。
場内のアトラクションも、別途有料施設になっているところが少なくない。これがまたなんともなポイント。
各施設の採算性管理のためにそうしているのかもしれないけども、利用者にとっては不便だと思うんだよなぁ。

そんな意見を述べたところで、後ろを振り返るとホテルオークラが鎮座ましまししている。
夕暮れに黄昏れる姿はなんとも優雅だ。


風車と並べてみても、その巨大さがわかる。


後から知ったんだけど、この建物はアムステルダム中央駅を模した作りなんだとか。へー。

さて場内はというと、TDLのおよそ2倍という広大さに10のエリアがあるといわれるだけあって、かなり広い。
石畳の道に洋館が建ち並び、ヨーロッパの雰囲気に満ちている。

ところで、オランダの町並みを目指して作られたハウステンボスが経常破綻し、紆余曲折を経てHISの澤田秀雄社長による手腕で奇跡の経営回復を果たしたことはよく話題になった。
ハウステンボスがどう変わったのか、前を知らないから比較のしようもないけど、キーワードは「脱オランダ路線」だ。
実際に見てみると、風車や花々、アムステルダムの風情(らしい)だけではなく、SFであったりホラーであったり、恐竜であったり、ワンピースであったり、韓流スターであったり、オランダ以外の要素を取り入れ集客力を上げようとしているのが見て取れた。
そうした方針転換以外にも、そもそもハウステンボスを請け負うにあたり、用意周到にリスクヘッジを行っている舞台裏記事を読んで、その手腕の高さに驚く。

そうした話題を持っているはずなのに、客が少ないなぁと感じるのは土地が広いこと以外に、日曜の黄昏時だからだろうか。














ふらふらと散策していて、時間柄目につくのは、各所イルミネーションに力が入っていること。
特に、宮殿のように見える建物はパレスハウステンボスと呼ばれ、造園家ダニエル・マローがオランダの宮殿のために設計した「幻の庭園」を再現したとされる庭園がある。
そこで繰り広げられる、イルミネーションと協奏曲のコラボは見応えがある。
その他のアトラクションはわからない。別途料金だし、そもそもそんなに時間がなく、散策のみだ。

唯一、二人とも強い興味を惹かれたのが「恐竜の森」だったりする。
入り口の恐竜はジュラシックパークを彷彿とさせる出来映えで、迫力ある唸り声で顔を動かしては周囲の人を威嚇する。
実際間近にいくと、目がこちらを見ており、それは左右に移動しても追いかけてくる。
首はただ左右を往復しているはずなのに、目がこちらを見ていると妙にリアルに感じる。
なので、二人して割と素で怯んでた。センサーでも付いているんだろうか。。
モナリザの目のようにこちらを見てくるこの恐竜がいるアトラクション。
ハウステンボスの中で一番心が動かされたものだったのだけど、残念なことに営業時間終了により泣く泣くその場を後にした。
やりたかった。。


こうして、ただ散策しただけのハウステンボス体験は終わった。
人が少ないのが逆に良い。ゆったりした時間が流れていて、ヨーロッパの雰囲気を味わえる箱庭的空間。
場内にはホテルもあったり、舞踏会や演奏会、はたまは宝塚歌劇団ならぬハウステンボス歌劇団なんかもあったりする。
僕らは夕暮れから夜にかけての短い時間しかいられなかったけど、昼間からいればまた違った雰囲気と楽しみがあるのだろう。
しかし、この広さ。鬼ごっことかドロケー(ケードロ)やったら楽しそうだと思うのは幼稚な僕だけだろうか。
隠れんぼは無理だ。見つけられる気がしない。

しかし、建物としての迫力はこのホテルオークラが一番ありそうだな。。


ちなみに夜ご飯も食べる隙間がなく、ギリギリ滑り込みでオークラの中華レストランに入ったのだけど、ここの中華が美味しかったのをメモ書きしておく。

こうしてスイートルームに戻った僕らには、まだミッションが残っていた。
そう、スイートといえばセレブ、セレブといえばガウンである。
小市民の僕らはここぞとばかりに、備え付けのガウンを着てブランデーのグラス(空)を手に持ちセレブごっこの写真を一通り撮り、深い眠りにつくのであった。
(そんなことどうでも良いね)

次は長崎へ。

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