6/10(火)
カッパドキア初日の今日は、現地ツアーを利用し一日観光を予定している。
カッパドキアの奇妙な岩々とトルコの歴史に触れる一日なのだ。
9:00
宿泊しているホテルに直接ピックアップされ、ツアーは始まる。
ドライバーはセガール、ガイドはアルプの二人組。よろしくよろしく。
先ずは何といっても、あの奇妙奇天烈な岩を見に行く。
妖精の煙突、なんて言われるあの岩は、ギョレメという地域でその姿を見ることができ、正にここでしか見れないような風景を作り出している。
アルプが言うには、ここ一帯はもともと大きな湖だったそうだ。
そこで、当時の活火山が噴火した際に火山灰や溶岩が湖に流れ込み、擬灰岩の大地が形成されていき、それを繰り返した後、長い時間をかけて雨風で侵食された結果が、いまある奇妙な岩々の姿であるそうだ。帽子のように黒く鎮座しているのは溶岩石で、その層を上にして積もっていた石灰岩などの層が削れていくイメージのようで、なるほどそれであのような形になるのかぁ。
非常に長い時間をかけて出来上がった、自然のアートのよう。
ただ、見ての通り頭でっかちで、中には崩れてしまう岩もあるのだとか。
近くにある生絞りオレンジジュースは喉の乾きも手伝ってか絶品。
きのこ岩を堪能し、次に向かったのはギョレメ屋外博物館。
4世紀頃からキリスト教徒達が住むようになり、迫害から逃れるために岩を掘って協会や寮や食堂などの施設を作り、一つの社会の跡がその遺跡から見ることができる世界遺産の地。
数々のフレスコ画がいくつもある遺跡に描かれており、キリスト教徒ではないのでその価値の大きさに気づける点は少ないだろうけど、歴史の深みを感じるには十分な場所だ。
ちょいちょいアルプから世界史の質問を投げかけられるが、大体は赤点。
「日本人は世界史を忘れてしまった」と言われる始末。
多分、僕らだけでなく、今までのツアーリスト達のことも含めてそう言っているのだろうなぁと思うけど、少なくとも僕個人としてはその言葉を否定する事ができなかった。
ぐぬぬぬぬ。
その一方で、この宗教的な場所で、唯一神を信仰していない身としては、アルプに色々聞きたくなる。
というのも、アルプは大学で歴史を専攻していたようで、さらにラテン語や古代ギリシャ語も勉強し、新訳・旧訳聖書を全部読み、コーランも知っているという、歴史と宗教のスペシャリスト。
キリスト教の矛盾や宗派の成り立ち、旧約ではキリスト教もイスラム教も元は同じ神であることについての話など、いつか本で読んだ事がアルプと話していると蘇ってくる。
じゃあアルプは何教なのかというと、聖書を全部読んだ結果、無神論なのだと。
異国の土地で本人の口から直接そうした宣言?を聞くのって、なんか新鮮。
13:00
ランチは近くのお店で壺ケバブをいただく。
ケバブと言えば、パンにつつまれたものを想像するが、あれば正式にはドルネケバブと呼ばれるそうで、いわゆる都会にしかないファーストフードのようなものなのだそうだ。
カッパドキアのケバブは、テスティケバブと呼ばれる、壺にいれて煮込んだ、シチューのような料理。
壺を割って中の具を米にかけて食べる形式だ。
ちなみに、そんなに美味しくない。
食後、見晴らしの良い穴場のスポットに連れて行ってくれるとのことで、連れて行かれた先は確かに絶景。
人も少なく、トルコの民族音楽のようなものが露店から聞こえてくる場所で、非常に心地よい時間を過ごせた。
良い場所知ってるじゃん。
15:00
カイマルクの地下都市。
いわゆる防空壕のようなところらしく、戦争があった場合に地下へ避難し、そこで生活できるようになっている。
敵が侵入してきた場合、閉じ込めたり袋叩きにするなどの罠も作られていたり、食料を保管するスペースや、ワインを作ったとされるスペースなど、目的にあわせた空間が延々と繋がっている。
時間をかけて拡張工事がされた結果、全体の設計が未だ分からないほど広大な空間が繋がっているようで、今でも調査は続けられているそうだ。
中は空気の流れについてしっかりと設計されており、外気が内部を循環し、常に一定の温度に保たれて、ひんやりとした温度。夏でも冬でも同程度だそうだ。
さらに、アルプからこぼれ話で面白い話があった。
昔の人は水を貯めておくとバクテリアが繁殖してしまい体を壊してしまう。
そこで、農業が始まり麦が取れるようになった時、人間はビールを発見し、飲料水の長期保存が可能になったのだと。
農業が広がったのは、食料の保存が可能になったことではなく、ビールのおかげなのだと、アルプは語る。
これは始めて聞く視点で、興味深かった。
これは閉じ込める仕掛け石。地下は奥深くどんどん探検できるので、気分はミステリーハンター。
17:00
宿に戻り、ガイドツアーは終了。
濃ゆいツアー内容だった。さんきゅーアルプ&セガール!
18:30
宿で一息つき、夕食をとるため外をぶらぶら歩く。
嫁がネットで調べて"パノラマカフェ"というお店がクチコミから良さげという情報がある一方で、宿のスタッフであるファルクに教えてもらった、少し高いけどおすすめだというレストラン情報も得て、どちらにするか決めずに歩いていると、道の途中でおっさんに声を掛けられる。
トルコで声を掛けられるときは往々にして日本語なのだけれども、おっさんは英語で話をしてくる。
どうやら近所で家庭料理屋を営んでいるようで、見晴らしも良いお店だから一度見に来ないかと言う。
おっさんは人懐っこい感じだし、ホームメイド料理だというし、まあお店を決めてないから近くならば覗いてみるかと言ってみると、そこはパノラマカフェであった。ワンダー。
シェフスペシャルと呼ばれる、おっさんお手製のコース料理を割と手軽な料金で提供してくれるようで、おっさんの人懐っこい笑顔にもやられてまんまとそこで夕飯を頂くことに。
店内には訪れた人のコメントノートがあって、僕らと同じように連れてこられた日本人の多い事。
ついつい笑ってしまいながら、僕らもノートにコメントを記念書き込み。もし行く人いたら見つけてみて!
そうこうしていると、料理が運ばれてくる。
どれも予想に反して美味しく、特にトマトスープが逸品で、トルコで食べた料理で最も美味しかったなあ。
他に客がいないためか、食後にトルコ式のおもてなしであるアップルティーを振舞ってくれて、まったり談笑。
こちらが店主もといビックシェフであるおっさん改めイズマイル。猫好き。
写真撮ってくれ、宣伝してくれということでご紹介。
21:00
すっかり夜になってしまった。
宿へ戻る道は暗く街灯も少ない。やばい感じはしないのだが、今回全然違う危なさ?を体験した。
それは、野犬である。
(野良犬と書くとニュアンスが異なる。野犬と書いたほうが感覚的に正しい。)
実は日中道をあるいていると野犬はところどころ見られていたのだが、そんなに気にする事もなかった。
しかし夜の野犬はヤヴァイ。暗いから危険度が体感的に増す。
体が大きく、大きめのラブラドールのような、おとなしめに見える犬なのだが、尾行してくるのだ。
どこまでもついてくる。
最初は警戒MAXだったものの、襲いかかるような素振りもないので、その内気にしないようにしていた。
しかしいつまで経ってもついてくるので、緊張感は解けない。
宿まで2,3kmの坂道を最後までずっとついてくる。
そしてその内思うようになる。
あれ?もしかして道案内してくれてる?プチガーディアン的な感じ?
最終的に宿の前まできたものの、宿の敷地内には入らず、そこでお別れ。
もしかして餌を期待していたのかもしれない。
利用していた宿は主に日本人が使うことが多いようで、夜道帰る日本人を送って、最後に餌を貰っていたのが習慣化されたのかもしれない。
だけどあげられるような餌が手元になかった。
そう思うと、何か悪いようなことをした心持ちになってくる。
動物好きの嫁は、最後にその犬の悲しげな瞳(主観的感受)を一瞥したことで、犬の気持ちを想像して号泣し出す。
おおお落ち着け落ち着け。。
そんなこんなで、初日から濃ゆいカッパドキア滞在だった。
カッパドキア初日の今日は、現地ツアーを利用し一日観光を予定している。
カッパドキアの奇妙な岩々とトルコの歴史に触れる一日なのだ。
9:00
宿泊しているホテルに直接ピックアップされ、ツアーは始まる。
ドライバーはセガール、ガイドはアルプの二人組。よろしくよろしく。
先ずは何といっても、あの奇妙奇天烈な岩を見に行く。
妖精の煙突、なんて言われるあの岩は、ギョレメという地域でその姿を見ることができ、正にここでしか見れないような風景を作り出している。
アルプが言うには、ここ一帯はもともと大きな湖だったそうだ。
そこで、当時の活火山が噴火した際に火山灰や溶岩が湖に流れ込み、擬灰岩の大地が形成されていき、それを繰り返した後、長い時間をかけて雨風で侵食された結果が、いまある奇妙な岩々の姿であるそうだ。帽子のように黒く鎮座しているのは溶岩石で、その層を上にして積もっていた石灰岩などの層が削れていくイメージのようで、なるほどそれであのような形になるのかぁ。
非常に長い時間をかけて出来上がった、自然のアートのよう。
ただ、見ての通り頭でっかちで、中には崩れてしまう岩もあるのだとか。
近くにある生絞りオレンジジュースは喉の乾きも手伝ってか絶品。
きのこ岩を堪能し、次に向かったのはギョレメ屋外博物館。
4世紀頃からキリスト教徒達が住むようになり、迫害から逃れるために岩を掘って協会や寮や食堂などの施設を作り、一つの社会の跡がその遺跡から見ることができる世界遺産の地。
数々のフレスコ画がいくつもある遺跡に描かれており、キリスト教徒ではないのでその価値の大きさに気づける点は少ないだろうけど、歴史の深みを感じるには十分な場所だ。
ちょいちょいアルプから世界史の質問を投げかけられるが、大体は赤点。
「日本人は世界史を忘れてしまった」と言われる始末。
多分、僕らだけでなく、今までのツアーリスト達のことも含めてそう言っているのだろうなぁと思うけど、少なくとも僕個人としてはその言葉を否定する事ができなかった。
ぐぬぬぬぬ。
その一方で、この宗教的な場所で、唯一神を信仰していない身としては、アルプに色々聞きたくなる。
というのも、アルプは大学で歴史を専攻していたようで、さらにラテン語や古代ギリシャ語も勉強し、新訳・旧訳聖書を全部読み、コーランも知っているという、歴史と宗教のスペシャリスト。
キリスト教の矛盾や宗派の成り立ち、旧約ではキリスト教もイスラム教も元は同じ神であることについての話など、いつか本で読んだ事がアルプと話していると蘇ってくる。
じゃあアルプは何教なのかというと、聖書を全部読んだ結果、無神論なのだと。
異国の土地で本人の口から直接そうした宣言?を聞くのって、なんか新鮮。
13:00
ランチは近くのお店で壺ケバブをいただく。
ケバブと言えば、パンにつつまれたものを想像するが、あれば正式にはドルネケバブと呼ばれるそうで、いわゆる都会にしかないファーストフードのようなものなのだそうだ。
カッパドキアのケバブは、テスティケバブと呼ばれる、壺にいれて煮込んだ、シチューのような料理。
壺を割って中の具を米にかけて食べる形式だ。
ちなみに、そんなに美味しくない。
食後、見晴らしの良い穴場のスポットに連れて行ってくれるとのことで、連れて行かれた先は確かに絶景。
人も少なく、トルコの民族音楽のようなものが露店から聞こえてくる場所で、非常に心地よい時間を過ごせた。
良い場所知ってるじゃん。
15:00
カイマルクの地下都市。
いわゆる防空壕のようなところらしく、戦争があった場合に地下へ避難し、そこで生活できるようになっている。
敵が侵入してきた場合、閉じ込めたり袋叩きにするなどの罠も作られていたり、食料を保管するスペースや、ワインを作ったとされるスペースなど、目的にあわせた空間が延々と繋がっている。
時間をかけて拡張工事がされた結果、全体の設計が未だ分からないほど広大な空間が繋がっているようで、今でも調査は続けられているそうだ。
中は空気の流れについてしっかりと設計されており、外気が内部を循環し、常に一定の温度に保たれて、ひんやりとした温度。夏でも冬でも同程度だそうだ。
さらに、アルプからこぼれ話で面白い話があった。
昔の人は水を貯めておくとバクテリアが繁殖してしまい体を壊してしまう。
そこで、農業が始まり麦が取れるようになった時、人間はビールを発見し、飲料水の長期保存が可能になったのだと。
農業が広がったのは、食料の保存が可能になったことではなく、ビールのおかげなのだと、アルプは語る。
これは始めて聞く視点で、興味深かった。
これは閉じ込める仕掛け石。地下は奥深くどんどん探検できるので、気分はミステリーハンター。
17:00
宿に戻り、ガイドツアーは終了。
濃ゆいツアー内容だった。さんきゅーアルプ&セガール!
18:30
宿で一息つき、夕食をとるため外をぶらぶら歩く。
嫁がネットで調べて"パノラマカフェ"というお店がクチコミから良さげという情報がある一方で、宿のスタッフであるファルクに教えてもらった、少し高いけどおすすめだというレストラン情報も得て、どちらにするか決めずに歩いていると、道の途中でおっさんに声を掛けられる。
トルコで声を掛けられるときは往々にして日本語なのだけれども、おっさんは英語で話をしてくる。
どうやら近所で家庭料理屋を営んでいるようで、見晴らしも良いお店だから一度見に来ないかと言う。
おっさんは人懐っこい感じだし、ホームメイド料理だというし、まあお店を決めてないから近くならば覗いてみるかと言ってみると、そこはパノラマカフェであった。ワンダー。
シェフスペシャルと呼ばれる、おっさんお手製のコース料理を割と手軽な料金で提供してくれるようで、おっさんの人懐っこい笑顔にもやられてまんまとそこで夕飯を頂くことに。
店内には訪れた人のコメントノートがあって、僕らと同じように連れてこられた日本人の多い事。
ついつい笑ってしまいながら、僕らもノートにコメントを記念書き込み。もし行く人いたら見つけてみて!
そうこうしていると、料理が運ばれてくる。
どれも予想に反して美味しく、特にトマトスープが逸品で、トルコで食べた料理で最も美味しかったなあ。
他に客がいないためか、食後にトルコ式のおもてなしであるアップルティーを振舞ってくれて、まったり談笑。
こちらが店主もといビックシェフであるおっさん改めイズマイル。猫好き。
写真撮ってくれ、宣伝してくれということでご紹介。
21:00
すっかり夜になってしまった。
宿へ戻る道は暗く街灯も少ない。やばい感じはしないのだが、今回全然違う危なさ?を体験した。
それは、野犬である。
(野良犬と書くとニュアンスが異なる。野犬と書いたほうが感覚的に正しい。)
実は日中道をあるいていると野犬はところどころ見られていたのだが、そんなに気にする事もなかった。
しかし夜の野犬はヤヴァイ。暗いから危険度が体感的に増す。
体が大きく、大きめのラブラドールのような、おとなしめに見える犬なのだが、尾行してくるのだ。
どこまでもついてくる。
最初は警戒MAXだったものの、襲いかかるような素振りもないので、その内気にしないようにしていた。
しかしいつまで経ってもついてくるので、緊張感は解けない。
宿まで2,3kmの坂道を最後までずっとついてくる。
そしてその内思うようになる。
あれ?もしかして道案内してくれてる?プチガーディアン的な感じ?
最終的に宿の前まできたものの、宿の敷地内には入らず、そこでお別れ。
もしかして餌を期待していたのかもしれない。
利用していた宿は主に日本人が使うことが多いようで、夜道帰る日本人を送って、最後に餌を貰っていたのが習慣化されたのかもしれない。
だけどあげられるような餌が手元になかった。
そう思うと、何か悪いようなことをした心持ちになってくる。
動物好きの嫁は、最後にその犬の悲しげな瞳(主観的感受)を一瞥したことで、犬の気持ちを想像して号泣し出す。
おおお落ち着け落ち着け。。
そんなこんなで、初日から濃ゆいカッパドキア滞在だった。
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