"物事を違う角度から見てるってことさ"
ウィキッド面白いよってことは昔から聞いていて、行きたいなあとは思いつつも行けていなかった本作を、つい先日遂に鑑賞してきた。
いやー面白かった。寝付きが悪いので思い出しついでに以下若干のネタバレを含みだらだらと。
主人公は二人。
一人は、肌の色の違いからくる差別を受けるエルファバ。
妹や家族の環境を、自分が原因であると受け止める優しさや、しかし周りにどう思われてもそれに負けない強さを持ち、魔法使いの才能に目覚め、いつしか世界の欺瞞に気づき信念を胸に立ち向かおうとする。
もう一人は、みんなの人気者グリンダ。
愛嬌を振りまき常に周りからどう見られているかに配慮し、みんなの中心にいようとする。
一方で、自分の主張や欲しいものは手にする強さを時折見せたり、まわりにいる人間を上手く使うという人心掌握にも長けた人物。俗に言う世渡り上手だ。
決して今まで交わらなかった、まるで陰と陽の二人なのだけど、同じ学校に入学し、そのキャンパスで二人の人生が交差する。
二人の出会いは最悪で、差別をする中心人物的なグリンダと、される側のエルファバ。
そうした対立軸にいた二人が、ひょんなことから友情が芽生えるのだから世界は美しい。
(いや、この場合エルファバの偉大さを褒めるべきかも。)
アメリカらしいキャンパスライフと差別のシーンは二人の友情が始まったことで過去のものになり、それに物語の王子様フィエロが登場することで三角関係が誕生するとともに、魔法の才能に目覚めたエルファバがグリンダと共に、世界を支配している悪の正体を知るという新たなフェーズに入る。
そこで二人の運命は別れるのだけど、物語の根底に流れるのは二人の友情だったりする。
この友情の行末が、ウィキッドのテーマである次の言葉に繋がるのだ。
「世界を敵にして、たった一人に愛されるか。」「たった一人を失って、世界に愛されるか。」
まぁ歴史は常に勝者のモノですよね。
(その)世界が納得する結末の上に立った人物、が勝者にあたるわけで、政治的手腕で共通の敵に仕立てあげられたエルファバが退治され、ついでに腐敗を一掃したグリンダが(その)世界の勝者なんですよね。
この場合、(その)世界というのはオズの国ですけれども。
一方で本当はもう一人勝者がいてそれは誰なのかというとエルファバで、彼女の場合はなんやかんやコントロールして念願の愛を勝ち取ったわけですよ。
言い換えれば、世界の中心を自分に置くのか、あるいは外に置くのか、あなたはどっち、というお話で。
グリンダは、彼女自身劇中でも一度使っていた言葉としてはポピュラリティを追求し、それに対してエルファバは(語弊があるかもだけど)パーソナリティを追求したのだろうな、と思う。
得たものの属性としては外部からの影響を受け易いかどうかというのはあるにせよ、二人ともちゃんと望むものは手に入れることができているのだから自己実現している訳。
そういう意味で、二人の甲乙をつけるのはナンセンスなのかもしれないけど、そんなの置いておいて本作のベストオブヒーローはフィエロなんだけどな。
ところで、本作はオズの魔法使いのスピンオフ的な作品で、若干オズの魔法のストーリーとクロスしたりする。
残念ながらオズの魔法使いの記憶がゼロに近いので本筋が分からないのだけど、色々と突っ込みどころはある。
そもそもオズの大衆はひどいもので、これって大衆批判の作品なの?という考えが生まれずにはいられないし、エルファバの妹はもう言葉にもできないし、それをお供するビックだかボックだかの言動は意味不明でむしろ本来モブキャラが昇格できたことに感謝しろレベルだし、なんだかんだで学長が真の悪でかつ神レベルの魔法使いだというのは疑いようのない事実で学長本気出せばこの話無かったことになるし、話の上流を辿ると二人の人物の過ちが不幸を生んだことを考えると元は童話とはいえ大人な話をぶち込んできますねという感想を持つし。
まあ一言でいえば気球おじさんもとい風船おじさんが全ての始まりだし、脚本家は石田純一なんですよきっと。
結論として何が言いたいのかというと、色々と示唆に富んでいる本作だけども、曲が良いよね。
特に良いなぁと思えるの次の2つ。
ブロードウェイですね。でも良いんですよそこが。
不純物をこして綺麗なものが現れてくるように、なんだかそうしたキラキラしたものがメロディにのって運ばれてくるんですよ。
疲れた体にマイナスイオンを運んできてくれるんですよ、きっと。
というか、イディナ・メンゼルとクリスティン・チェノウェスなのねオリジナル。
クリスティンさんはGleeで知ったけど、最近凄さを再確認中。イディナさんはRENTで知った舞台女優さん。
二人ともキャリアが長いのね。
(ちなみにイディナさんはレリゴー♪の人ね。)
ということで、見た人も見てない人も、劇団四季の東京公演千秋楽は11/16ですよ。
今回浜松町の感覚で席を取ってしまったけど、劇場は汐留。予約した時は気づかず、席は1F奥の席でムムム!と思ったけど、わりと不自由なく見れました。
なのでどの席でも楽しめるかと。
劇団四季の劇団員はいつもクオリティを保証してくれていると思えるほどに、演技が素敵。
それに舞台と衣装の完成度の高さが加わり、曲とストーリーの良さがプラスされてきっと引き込まれるかと思いますよ!
ちなみにGlee版もやっぱり良いなぁ。
ウィキッド面白いよってことは昔から聞いていて、行きたいなあとは思いつつも行けていなかった本作を、つい先日遂に鑑賞してきた。
いやー面白かった。寝付きが悪いので思い出しついでに以下若干のネタバレを含みだらだらと。
主人公は二人。
一人は、肌の色の違いからくる差別を受けるエルファバ。
妹や家族の環境を、自分が原因であると受け止める優しさや、しかし周りにどう思われてもそれに負けない強さを持ち、魔法使いの才能に目覚め、いつしか世界の欺瞞に気づき信念を胸に立ち向かおうとする。
もう一人は、みんなの人気者グリンダ。
愛嬌を振りまき常に周りからどう見られているかに配慮し、みんなの中心にいようとする。
一方で、自分の主張や欲しいものは手にする強さを時折見せたり、まわりにいる人間を上手く使うという人心掌握にも長けた人物。俗に言う世渡り上手だ。
決して今まで交わらなかった、まるで陰と陽の二人なのだけど、同じ学校に入学し、そのキャンパスで二人の人生が交差する。
二人の出会いは最悪で、差別をする中心人物的なグリンダと、される側のエルファバ。
そうした対立軸にいた二人が、ひょんなことから友情が芽生えるのだから世界は美しい。
(いや、この場合エルファバの偉大さを褒めるべきかも。)
アメリカらしいキャンパスライフと差別のシーンは二人の友情が始まったことで過去のものになり、それに物語の王子様フィエロが登場することで三角関係が誕生するとともに、魔法の才能に目覚めたエルファバがグリンダと共に、世界を支配している悪の正体を知るという新たなフェーズに入る。
そこで二人の運命は別れるのだけど、物語の根底に流れるのは二人の友情だったりする。
この友情の行末が、ウィキッドのテーマである次の言葉に繋がるのだ。
「世界を敵にして、たった一人に愛されるか。」「たった一人を失って、世界に愛されるか。」
まぁ歴史は常に勝者のモノですよね。
(その)世界が納得する結末の上に立った人物、が勝者にあたるわけで、政治的手腕で共通の敵に仕立てあげられたエルファバが退治され、ついでに腐敗を一掃したグリンダが(その)世界の勝者なんですよね。
この場合、(その)世界というのはオズの国ですけれども。
一方で本当はもう一人勝者がいてそれは誰なのかというとエルファバで、彼女の場合はなんやかんやコントロールして念願の愛を勝ち取ったわけですよ。
言い換えれば、世界の中心を自分に置くのか、あるいは外に置くのか、あなたはどっち、というお話で。
グリンダは、彼女自身劇中でも一度使っていた言葉としてはポピュラリティを追求し、それに対してエルファバは(語弊があるかもだけど)パーソナリティを追求したのだろうな、と思う。
得たものの属性としては外部からの影響を受け易いかどうかというのはあるにせよ、二人ともちゃんと望むものは手に入れることができているのだから自己実現している訳。
そういう意味で、二人の甲乙をつけるのはナンセンスなのかもしれないけど、そんなの置いておいて本作のベストオブヒーローはフィエロなんだけどな。
ところで、本作はオズの魔法使いのスピンオフ的な作品で、若干オズの魔法のストーリーとクロスしたりする。
残念ながらオズの魔法使いの記憶がゼロに近いので本筋が分からないのだけど、色々と突っ込みどころはある。
そもそもオズの大衆はひどいもので、これって大衆批判の作品なの?という考えが生まれずにはいられないし、エルファバの妹はもう言葉にもできないし、それをお供するビックだかボックだかの言動は意味不明でむしろ本来モブキャラが昇格できたことに感謝しろレベルだし、なんだかんだで学長が真の悪でかつ神レベルの魔法使いだというのは疑いようのない事実で学長本気出せばこの話無かったことになるし、話の上流を辿ると二人の人物の過ちが不幸を生んだことを考えると元は童話とはいえ大人な話をぶち込んできますねという感想を持つし。
まあ一言でいえば気球おじさんもとい風船おじさんが全ての始まりだし、脚本家は石田純一なんですよきっと。
結論として何が言いたいのかというと、色々と示唆に富んでいる本作だけども、曲が良いよね。
特に良いなぁと思えるの次の2つ。
ブロードウェイですね。でも良いんですよそこが。
不純物をこして綺麗なものが現れてくるように、なんだかそうしたキラキラしたものがメロディにのって運ばれてくるんですよ。
疲れた体にマイナスイオンを運んできてくれるんですよ、きっと。
というか、イディナ・メンゼルとクリスティン・チェノウェスなのねオリジナル。
クリスティンさんはGleeで知ったけど、最近凄さを再確認中。イディナさんはRENTで知った舞台女優さん。
二人ともキャリアが長いのね。
(ちなみにイディナさんはレリゴー♪の人ね。)
ということで、見た人も見てない人も、劇団四季の東京公演千秋楽は11/16ですよ。
今回浜松町の感覚で席を取ってしまったけど、劇場は汐留。予約した時は気づかず、席は1F奥の席でムムム!と思ったけど、わりと不自由なく見れました。
なのでどの席でも楽しめるかと。
劇団四季の劇団員はいつもクオリティを保証してくれていると思えるほどに、演技が素敵。
それに舞台と衣装の完成度の高さが加わり、曲とストーリーの良さがプラスされてきっと引き込まれるかと思いますよ!
ちなみにGlee版もやっぱり良いなぁ。
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