白石さんが呟きをやっていることを最近知り、その呟きから知った本がこちら。
サンカーラ: この世の断片をたぐり寄せて
著者:田口ランディ
主婦であり作家さんである氏の体験。
同居する義父、義母
3.11
父、そして兄
水俣
原子力
自然
仏陀
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外世界と内世界を行き来する視点。
自分の経験と世界の現象を繋ぎ合わせ、普遍的な価値観をそこに見出す。
各章では、氏のそうした価値観を一つ一つ紡いでいくのだけど、そこで見る姿勢から、自分に対して正直な人なんだなぁ、と思わせる。
田口ランディという人には会った事も話した事もなければ書き物を読んだのもこれが初めてだけど、等身大、というか、"田口ランディ"という人物の内面性を形どった感触を覚える。
ところで、"サンカーラ"とは仏教用語だそうだ。
調べてみると当然の事ながら奥が深くずぶずぶと沈んで行く。
これはどこか、氏自身の観察日記なのかもしれない。
章ごとに区切られ別々の事柄であったとしても、根底に流れるそれは結びついていて、きっと次の場所へと流れているのだ。
ああそうか、この本は、自分のためでもあるんだろうなぁ。
それと同時に、そうした震災以降の、氏の体験を読み進めることで、当時の自分も頭の中で喚起される。
あれから1年9ヶ月経ち、もう少しすれば2年になろうとしている。
鈍い。変わらぬこの鈍さ。
田口さんの他の作品も読んでみようかな。
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