ちきりん本

最近、物事が散発的になりすぎている。いや、元々か。
気付けば本も読めていない!

ということでちょっと本を読みたいところに、ふと「Chikirinの日記」ブログの記事が目にとまった。
"今、私たちが読むべき本"というタイトルにひっかかってしまい(?)、まんまと購入。
礼を尽くさねばと思い同時にちきりんさんの本も購入。

以下読んだ順にざっくり。
のつもりが、最後ダラダラと長文になってしまった!

(続きはタイトルをぽちっとな)




ゆるく考えよう



"今までの決まり事に捕われず、自分の「好き」「楽しい」「ラク」を優先する--それはつまり「自分基準」で生きるということです。"

著・ちきりん

「Chikirinの日記」ブログで著名なちきりんさんのデビュー作。
といっても常にブログで世に考えを公開している著者であり、そのブログの内容を加筆修正+書き下ろしたこの本。
ちきりんさんの思う生き方について、平易な言葉でちきりんエッセンスをまぶして語っている。
なるほどー、と思う点や、うーんそうなのかしら、と思う点があったり。
ちきりんさんの視点から見る事柄や、ちょっとした進言のある本。
これは(というかこうした本は)本人を知っている方がより良いのかも。
なので、ちきりんさんの記事をブログで読んでいて、そのキャラクターに興味を持ってから読んだ方が良いのかな?
自伝本ではなく、How to本でもなく、こうすると良いかもよ!というアドバイス本のような。
なのでそういう本は、きっと著者の信頼力によって内容の浸透が左右されるのだと思う。
幸いにしてちきりんさんは、無料で面白いブログ記事を日々発信しているので、それを読んでからでも遅くないかと!
そういやちきりんブログも友人経由で知ったなぁ。
ネット上の口コミ影響は面白いねー。

そのちきりんさんが注目していることの1つにあるのが、大阪だ。


体制維新――大阪都


"大阪の土を今、ここで耕さなければ、大阪だけでなく、日本で、もうリンゴは二度と出来なくなります。"

著・橋下徹/堺屋太一

大阪維新の会代表の橋下さんが大阪市長に当選し、幹事長の松井さんが大阪府市長に当選した11/27。
大阪が衰退し多くの問題を抱え、ここに日本全体に関わる問題を見いだし、これを大阪都構想という思想を以て闘争を続ける橋本さんを筆頭にした大阪維新の会。
政敵や既得権を守ろうとする人達やマスコミなどなどに包囲されつつも、橋本さんは、「人を替えてもダメ、政策もダメ、そうなるとこれは仕組み、システム、体制の問題であり、それを変えなければ、物事は前へ進みません」と叫び挑戦し続ける。
本書では何度も何度も繰り返し問題点を挙げては大阪都構想について説明を尽くす。

なるほどこれは今読むべき本なのだ。
いま大阪では何が問題なのか。そしてそれは、大阪に限らず日本の問題とも繋がっている。
無知であるからだろうか、ふむふむと読んでしまう本書。
今後大阪がどう変わっていくか、そしてそれがどんな意味を持つのか。
その理解への一歩として本書を読んだ。

しかし権力闘争に伴い橋本さんをはじめとした大阪維新の会のまわりは穏やかとはほど遠いところにあることは想像に難くない。
それを過去実際に経験した、前横浜市長である中田宏さんの本が続いて紹介される。


政治家の殺し方


"政治家を殺すのに刃物はいらないのである。"

著・中田宏

ショッキングな事件がてんこ盛りである本書。
本書の一文に、こうある。
"実際、「感謝日記」なるものをつけていた。(中略) 日々の出来事に対して「これも修行、ありがたいこと」と思って感謝を綴った。"
こうした達観を得るのにはどれほどの苦行が強いられるのか。
利権との戦いとはどういうことか。
マスコミの流す情報とはどういうものか。
かくも恐ろしい政治の裏側、マスコミの歪んだ報道について、その強靭な精神で走りきった実体験が、描かれている。

利権や体制と戦う裏には、こういう暗い怪物が大きな口をあけて待っていることを知っておく事は、必要なことだろう。
橋本さんがその怪物の口に飲み込まれてしまうのか、光の射す出口に辿り着くのか、はたまた違った出口が待っているのかは、これからのお話だ。

こうした事柄について、ちきりんさんは、最初に紹介した「ゆるく考えよう」しかり、ブログ記事しかり、

「その内容って、インプットからどうアウトプットされているのだろう?」

そう思った人は、続くちきりん本第2弾の、この本を。

自分のアタマで考えよう



"知識を洞察につなげることのできる仕組みとして「思考の棚」をつくるーーこれこそが「考える」ということなのです。"

著・ちきりん

あの視点や着想はどこからきているのだろう!
そう思う人は少なくないはず。その質問に対して、「こうやって考えると良いよ!」という内容の本書。
ネット上ではブログ記事やTwitterをはじめとした多くの情報媒体に触れる機会があり、それはそのまま、様々な「情報発信者のアウトプット」の入手となる。
本書でも語っている様に、それらは情報であり知識であるものの、思考の結果では無い。
そのため情報や知識は貯まるけど、それだけでは"知恵"は生まれない。
自分の中で、思考のプロセスを経たものが知恵になり、ちきりんさんの場合はそれがブログ記事であったり前述の本出版になるわけだ。

本書を読んでいてハッ!となったのは、「思考の棚」について。
ちょっとこれについて触れてみる。

「一を聞いて十を知る」という諺があるように、同じインプットがあってもそれを受け取る人によってそこから得る事は様々だと思う。
俺自身ぼけーっとしている人間なので、「一を聞いてそれを忘れる」こともままあるわけだけど、秀でた人は違う。
「そんな点まで気付くのか!」と関心することもある。
これは先ほどの言葉を借りて言い換えれば、「一の情報が十の思考の棚を通って起こる、知恵の発露」だ。
そのためには普段から準備しなければいけないし、トレーニングが必要だと思う。
例えば本書の冒頭にはプロ野球ファンの高齢化の話を引き合いに出し、それについてどう思うか例題を出す。(本書ではそうした考える事についてのリードが各章に用意されている。)
まずAさんは若者の野球離れを指摘して、野球の未来は暗い!と言う。
そこでBさんは、シニア層向けのビジネスが出来ますね!という考えを持つのだが、これはビジネス肌を持つ人の視点だろうし、普段からそうした思考の棚を持っている人に多いアウトプットにあたるだろう。
ここでCさんが登場して、良い面悪い面を挙げ、両面から考える必要があるよね、という帰結に至る。
ここでは、世間に流れる既存の情報から、その面の知識しか得られず、他人の受け売りだけで思考停止の危険があるんじゃない?という問題定義がある訳だけど、いま着目したいのは「思考の棚」についてだ。
先ほどのBさんについて言えば、恐らく普段からビジネスに携わっている人物で、そうした着眼点、「思考の棚」が備わっている。
そのため、高齢化に纏わる情報から、シニア向けビジネスの提案が導かれることになる。

もちろん、十人十色の視点があるかもしれない。
例えば、「若者のテレビ離れが原因ですかね!これからはUSTREAMで審判に付けたカメラを使って、いままでの放送とは違った、臨場感ある放送をしてはどうでしょう!広告収益も期待できるかもしれません!」というDさんや、「親子の関係が希薄になってきているのでしょうか、、観戦チケットの親子割引や親子向けコンテンツや活動の充実で世代を繋ぐ企画はどうでしょう。」というEさんもいるかもしれない。
(Eさんの意見は仮定した原因から考えるとちょっと難しいけど、、)

各人にはそれぞれの棚が用意されていて、それぞれ視点の違う意見が出るわけだ。

何が言いたいのだお前は、という話になるわけだけども、そうした視点はある程度のトレーニングを要して準備されるものだと思う。
(先ほどのDさんやEさんの意見はトレーニングを要さないただの思いつき)
普段から物事に関心を寄せて、自分なりに考えて結論を出す。その途中で、そうした視点が発見できるかもしれない。
どう考えるか、というヒントとして、本書がそのトレーニングの手助けの一つになるのだと思う。

まとめると、「よく聞く意見しか出てこないなら、この本読んでもっかい考えてみなさい」という事だし、「知識は他の知識と結びついて新たな知識に繋がる時や、知恵が生まれる事があるから、普段から整理して準備しておきなさいよ」ってことだうん。

めんどくさがりで怠惰な脳はもってのほか。
そう自分に自戒しては、はて、俺は前にも同じ事を言ったような、と寒空に吐息をもらすのであった。いまPCの前だけど。

さて、そんな(どんな?)ちきりんさんについて知りたければ、ブログやTwitterをチェックすれば知ることができる。
興味のある人は、チェックしてみては。 それでは長文お疲れさまでした。

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