"雨の日に、ガソリン価格の倍もするようなペットボトル入りのミネラルウォーターを飲みながら、雨がやんで晴れるのをただ眺めている。"
67億人の水 「争奪」から「持続可能」へ
著:橋本淳司
そうだったのか、、!
自分の水リテラシーの低さに唖然とした。
蛇口をひねれば水が出てくるし、それは飲むことができる。
そんなの当たり前だ。幼稚園生だって知っている。
でもこれって凄い事なんだ。
なーんてことは、知っている。
でも、それが水の価値って、ほんとに知っている?
この本には水の価値を、水源である森の問題、水不足の問題、水ビジネスの問題、国の問題、エネルギーの問題、などなど、色んな角度から教えてくれる。
水の循環。
雨や雪が森に降り、もしくは山の上の方で凍った氷が暖かくなるとやがて溶けて川に流れて海に出る。
それがまた大気へ戻り、循環する。
この循環の中で、水源となる水は、森が長い時間かけてしみ込んだ地下水であったり川の水であったり。
それらを用いて飲料水、生活用水、工業用水、農業用水を得る。そして使用された水は生活排水、工業排水、農業排水となり流される。
この循環の中で、日本の土地制度の不安要素や広葉樹林の激減による森の問題がある。
急速に発展する中国を支える工場群が排出する二酸化炭素や工業廃水。決して他人ごとではなく、酸性雨の問題で日本の森が危うくなったり、工業廃水をはじめとした水質汚染の問題で日本海の生態系に変化をもたらす危険があったりと、越境問題が発生している。
今日のニュースにあった中国人乗客の記事を見て、なんと迷惑な客だろうと思ったものだが、国レベルで問題を投げてくるとは!
しかし、中国だけが悪いのではない。中国に工場を持つ日本企業も、その一員だ。
その一方で、中国は深刻な水不足問題を抱えており、水不足により国家が崩壊してしまう恐れがあると、橋本さんは言う。
中国だけではなく、日本を除く東アジア全体において、国連の予想では2025年には水不足になるとされており、アジアとしてこの問題に取り組むべきだと語りかける。
そういったことをはじめとして、前述した切り口から、今後の水ビジネスと日本の立場について、日本は部品技術は凄いけど市場のメインはそこじゃないんだぜ、フランス強いなって話であったり、水で対立する国の話では特にシンガポールの話はおもしろくて、ニューウォーターって凄まじい!さすがシンガポー。って話であったり、海水の淡水化は結局化石燃料使うのがナンセンスだ、より少なくすむ方法や、別の方法、それも地域にあったやり方をね、って話だったり、水にまつわる知らなかった話が色々と読める本書。
IBMはITを駆使した水資源の監視・管理などの技術を政府や水供給業者に提供するビジネスを開始している。
それが世界中の水インフラの支配を可能にして、アメリカに逆らえば、水道の栓をしめられるという状況が、いつかできてしまうかもしれない、とまでいわれている!
なんて陰謀説や、
ペットボトル水は輸送、製造に水道水と比べて600倍の温暖化ガスを出すといわれているそうで、海外ではペットボトルを販売禁止する町もある!
という、ペットボトルのミネラルウォーターばっかり飲んでいる俺には耳が痛い話だったり、ちょっとしたトリビアがあったり。
例えば、手をかざすと流水音が出る擬音発生装置、あるよね。女子トイレが多いのかな?男子トイレで見た事ある。
TOTO調べによると、女性はトイレ使用時に平均2.5回の水を流すが、この内の1.5回は消音が目的だそうで、例えば女性従業員100人のオフィスで試算してみると、この装置をつけることで、年間でおよそ285万ℓの水が節約、およそ180万円のコスト節減になるのだと!
東京水道局のQAから、"平成18年には241ℓ"の水が一日一人(都民の場合)使われていたということから、その水の量の大きさが分かる。
(他国に置き換えたら、かなり贅沢な量だし、残酷な数字にも見えてしまう。)
そんな、「へぇ〜」的トリビアを挟みつつも、水問題が貧困や死因、性差別や教育の問題に繋がっていることも語っている。
水リテラシーを高めるためにも、まず、知ることから始める必要がある。
普段あまり意識する事のない"水"について、気づきを与えてくれる一冊。
P.S.
意外なものたたくさん水を使っていることが良くわかる図と、環境省の仮想水計算機が役に立つと思うので、参考にどうぞ。
いろはすをチョイスしても、結局はペットボトルだもんなぁ。
マイカップの持ち歩き、再利用容器での給水、か。
よく田舎だと湧き水を給水できる専用のポイントがあるけど、近くにもあるかなー。
67億人の水 「争奪」から「持続可能」へ
著:橋本淳司
そうだったのか、、!
自分の水リテラシーの低さに唖然とした。
蛇口をひねれば水が出てくるし、それは飲むことができる。
そんなの当たり前だ。幼稚園生だって知っている。
でもこれって凄い事なんだ。
なーんてことは、知っている。
でも、それが水の価値って、ほんとに知っている?
この本には水の価値を、水源である森の問題、水不足の問題、水ビジネスの問題、国の問題、エネルギーの問題、などなど、色んな角度から教えてくれる。
水の循環。
雨や雪が森に降り、もしくは山の上の方で凍った氷が暖かくなるとやがて溶けて川に流れて海に出る。
それがまた大気へ戻り、循環する。
この循環の中で、水源となる水は、森が長い時間かけてしみ込んだ地下水であったり川の水であったり。
それらを用いて飲料水、生活用水、工業用水、農業用水を得る。そして使用された水は生活排水、工業排水、農業排水となり流される。
この循環の中で、日本の土地制度の不安要素や広葉樹林の激減による森の問題がある。
急速に発展する中国を支える工場群が排出する二酸化炭素や工業廃水。決して他人ごとではなく、酸性雨の問題で日本の森が危うくなったり、工業廃水をはじめとした水質汚染の問題で日本海の生態系に変化をもたらす危険があったりと、越境問題が発生している。
今日のニュースにあった中国人乗客の記事を見て、なんと迷惑な客だろうと思ったものだが、国レベルで問題を投げてくるとは!
しかし、中国だけが悪いのではない。中国に工場を持つ日本企業も、その一員だ。
その一方で、中国は深刻な水不足問題を抱えており、水不足により国家が崩壊してしまう恐れがあると、橋本さんは言う。
中国だけではなく、日本を除く東アジア全体において、国連の予想では2025年には水不足になるとされており、アジアとしてこの問題に取り組むべきだと語りかける。
そういったことをはじめとして、前述した切り口から、今後の水ビジネスと日本の立場について、日本は部品技術は凄いけど市場のメインはそこじゃないんだぜ、フランス強いなって話であったり、水で対立する国の話では特にシンガポールの話はおもしろくて、ニューウォーターって凄まじい!さすがシンガポー。って話であったり、海水の淡水化は結局化石燃料使うのがナンセンスだ、より少なくすむ方法や、別の方法、それも地域にあったやり方をね、って話だったり、水にまつわる知らなかった話が色々と読める本書。
IBMはITを駆使した水資源の監視・管理などの技術を政府や水供給業者に提供するビジネスを開始している。
それが世界中の水インフラの支配を可能にして、アメリカに逆らえば、水道の栓をしめられるという状況が、いつかできてしまうかもしれない、とまでいわれている!
なんて陰謀説や、
ペットボトル水は輸送、製造に水道水と比べて600倍の温暖化ガスを出すといわれているそうで、海外ではペットボトルを販売禁止する町もある!
という、ペットボトルのミネラルウォーターばっかり飲んでいる俺には耳が痛い話だったり、ちょっとしたトリビアがあったり。
例えば、手をかざすと流水音が出る擬音発生装置、あるよね。女子トイレが多いのかな?男子トイレで見た事ある。
TOTO調べによると、女性はトイレ使用時に平均2.5回の水を流すが、この内の1.5回は消音が目的だそうで、例えば女性従業員100人のオフィスで試算してみると、この装置をつけることで、年間でおよそ285万ℓの水が節約、およそ180万円のコスト節減になるのだと!
東京水道局のQAから、"平成18年には241ℓ"の水が一日一人(都民の場合)使われていたということから、その水の量の大きさが分かる。
(他国に置き換えたら、かなり贅沢な量だし、残酷な数字にも見えてしまう。)
そんな、「へぇ〜」的トリビアを挟みつつも、水問題が貧困や死因、性差別や教育の問題に繋がっていることも語っている。
水リテラシーを高めるためにも、まず、知ることから始める必要がある。
普段あまり意識する事のない"水"について、気づきを与えてくれる一冊。
P.S.
意外なものたたくさん水を使っていることが良くわかる図と、環境省の仮想水計算機が役に立つと思うので、参考にどうぞ。
いろはすをチョイスしても、結局はペットボトルだもんなぁ。
マイカップの持ち歩き、再利用容器での給水、か。
よく田舎だと湧き水を給水できる専用のポイントがあるけど、近くにもあるかなー。
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