半落ち

「一つぐらいは自慢話を持っていたい。」

半落ち (講談社文庫)

現職警察官の妻殺し。
妻を殺した梶聡一郎がW県警に自主してきたことで、W県警に激震が走る。
この激震が各方面に及び、梶を取り巻く人々があたかも引力が働く様に彼の周りに集まり、交差し、展開が語られる。
物語の鍵となるのは、妻殺害から自主までの2日間。
頑なにそれを語る事を拒む梶。
"半落ち"状態の彼をそうさせるものとは一体、、

同僚に勧められて読んだこの本。
やっぱり刑事系の小説は面白い。ドラマがある。
この"半落ち"もドラマが散りばめられていて、それをより層厚くしているのが、"6人の視点"。
物語は6章に分けられているのだが、時系列に従い一人称が変わっていく。
刑事、検事、記者、などなど。
それぞれの立場から眺める事件は、それぞれにドラマがある。
そして一つ一つ真相に近づき、物語の"核"の部分を紐解いて行く。
いやー、話の展開に"完落ち"しました。

多くの人はもう既読かもしれないけど、またの人はどうぞ。

おすすめ度:90点

志木さんが良い!
そして記者の人はその後どうなったのか、、
スピンオフも書けるだろうと思わせるほど、読み応えあるよ。

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